主な標本と見学コース

4.日本の地質 (410号室)

日本列島の骨格をなす主な地層や特徴的な岩石について現地の産状や景観を含めて解説します

410室中央のガラスケースとその下の引出:正面右回りで、北海道(日高帯と神居古潭帯、各種鉱床)→東北(黒鉱鉱床など)→関東(日立変成岩と日立鉱山、ボニン岩)→中部(飛騨帯と神岡鉱山、壁側にもあるよ)。

下の引出を向こうに回って、中国(周防変成岩、都茂鉱山など)→四国(三波川帯、黒瀬川帯、別子鉱山など)→九州(黒瀬川帯、長崎変成岩、菱刈鉱山など)(→山口)の順。

日本列島の地質の骨組み

日本列島は構成岩石や年代の特徴と地質構造に基づいて、いくつかの地質体に区分されます。日本列島は、まず糸魚川-静岡構造線(糸静線)で東北日本と西南日本に二分され、次に西南日本は中央構造線(MTL)により日本海側の西南日本内帯と太平洋側の外帯に区分されます。時間軸で見ると、新第三紀以降の火山岩におおわれた地域とその下にある地質体(基盤岩)に分けられます。前者は主に島弧の内帯側、特に東北日本に広く分布し、グリーンタフ地域と呼ばれていました。新第三紀以前の古い地質体は、西南日本に広く現われています。北から南に日本海側(大陸側)から太平洋側に向かって、飛騨帯・飛騨外縁帯・美濃-丹波帯・領家帯・[中央構造線]・三波川帯・秩父帯・四万十帯の順に東西方向に延びた地質体が配列します。このうち飛騨帯は300Ma(3億年前、Maは100万年前の単位)以前の大陸性の地塊であるのに対して、飛騨外縁帯は古生代の、美濃・丹波帯~秩父帯は主に中生代の、四万十帯は中生代後期~新第三紀の、付加体あるいは付加体起源の変成帯であると考えられ、太平洋側に向かってより新しい地質体が配列する傾向があります。

ここでは日本の火成岩(深成岩、特に花崗岩)や変成岩を中心に、少数の標本を選び、ごく簡単な説明をつけました。また現地に行く機会は中々得られないと思われるので、岩石の産状や周りの景観を示す写真を入れました。対象とする地域は、主に変成帯あるいは基盤岩といわれる地帯であり、日本列島の骨格をなす主要な地質体をおおかたカバーしています。本項を手がかりに、実物を見ながら、色々な文献などを読み、理解を進めて下さい。日本の地質に関する文献は極めて多岐にわたりますが、本項の記述や年代値は、主に「日本の地質1~9、共立出版」や「地学事典、平凡社」などを参考にしています。

→もっと知りたい方へ、日本列島の地質

1.日高帯・神居古潭帯

日高帯:北海道の中央部、日高山脈に沿って南北に伸び、日高累層群の堆積岩と変成岩・深成岩などからなる地帯を日高帯といいます。日高累層群は、白亜紀~古第三紀の砂岩・泥岩・チャート・緑色岩(やや変成した火山岩)からなる複雑な構造の地質体です。変成岩は東から西へ変成度が強くなり(緑色片岩相からグラニュライト相、同位体年代は50~20Maくらい)、中央部に20~15Maくらいの花崗岩やミグマタイトが分布します。日高帯中央部より西側には、圧砕岩(ミロナイト)帯を挟んでかんらん岩や斑れい岩を主体とする地帯(オフィオライト)があり、東側の島弧地殻が海洋地殻の上に衝上したと考えられています。 img-photo-id29-01

十勝平野から見た初夏の日高山脈

img-photo-id29-02

日高山脈の最高峰、幌尻岳(2,052m)と氷河地形(カール)

img-photo-id29-04
img-photo-id29-03
幌尻オフィオライト岩体の一部:海洋地殻の断面か?トッタベツ岳カール壁に見られる層状かんらん岩の露頭。
幌満かんらん岩:日高帯中軸の西側(西帯)には、北部の幌尻岳や南部の幌満などに、層状のかんらん岩が分布し、海洋地殻の断面(オフィオライト)が見えていると考えられています。幌満付近には、ダナイトDuniteなどの超塩基性~塩基性岩が良く露出し、耐火材として採石されています。

img-photo-id29-05
ダンかんらん岩Dunite:ほとんどかんらん石からなるかんらん岩。様似町幌満川、標本番号A057
img-photo-id29-06
かんらん岩Peridotite:層状構造が顕著な岩相、中央の緑色部はクロームを含む単斜輝石、灰色部は斜長岩質の部分。様似町幌満川、標本番号A081
img-photo-id29-07
日高帯の深成岩:閃緑岩:球状の黒鉛塊を含む特異な閃緑岩。広尾町音調律鉱山、標本番号A083
img-photo-id29-08
日高帯の深成岩:斑れい岩:幌満かんらん岩に伴う粗粒斑れい岩、オフィティック組織(輝石に短冊状の斜長石が入り込む)がよく分かる。様似町幌満川、標本番号A082
img-photo-id29-10
日高変成岩とミグマタイト:日高帯の十勝側では、東から西に向かって変成度が上昇し、中軸部では黒雲母片麻岩と花崗岩質の岩石が入り混じったミグマタイトが出現します。中札内村札内川
img-photo-id29-09
ミグマタイト質の黒雲母片麻岩:えりも町猿留川、標本番号A084
神居古潭帯:神居古潭帯は、日高帯の西側に南北に連なり、主に高圧型変成岩と蛇紋岩などからなる地帯です。おおむね中生代後期~古第三紀にかけてできた変成帯で、空知層群・蝦夷層群と共に日高帯西側の地質体(空知ー蝦夷帯)を構成します。旭川市街西方の石狩川沿いの峡谷-神居古潭によく露出するのでその名がつけられました。旭川北方の幌加内地域には、パンペリー石-藍閃石‐ローソン石を含む典型的な高圧変成岩が分布します。また蛇紋岩中には、かつてクロームや白金などの希少金属を産しました。

img-photo-id29-11
神居古潭変成岩:緑色片岩:パンペリー石-緑泥石片岩。旭川市上江丹別、標本番号A101
img-photo-id29-12
神居古潭変成岩:青色片岩:ローソン石-藍閃石片岩、暗青色部は藍閃石、緑色部は緑簾石とローソン石。幌加内町、標本番号A118
蝦夷累層群:蝦夷累層群は、主に泥岩・砂岩からなる中生代白亜紀の地層で、天塩山地から夕張山地にかけて、日高帯・神居古潭帯の西側に分布します。天塩中川や夕張地域は、蝦夷累層群上部層からアンモナイトやイノセラムスの保存の良い大型化石を産することで有名です。

img-photo-id29-14
蝦夷累層群の泥岩とアンモナイト:Neogaudrycerous 。 中川町、標本番号FS267
img-photo-id29-13
異常巻アンモナイト:中川町、標本番号FS268

2.北上帯

東北地方の地質:東北地方は、おおむね北上川-阿武隈川に沿った低地帯を境として、東側の主に古生代~中生代の堆積岩と深成岩・変成岩から構成される北上帯と阿武隈帯、脊梁山地及びその西側の新第三紀以降の火山岩優勢地域(グリーンタフ地域)に区分されます。火山岩優勢地域にも、大平山地・朝日山地・飯豊山地などに中生代の花崗岩などが存在し、火山岩類の下位に中生代以前の基盤構造が延びていると推定されます。新第三紀火山岩地域は、黒鉱鉱床を伴うことで有名です。 北上帯:北上帯は北上山地を構成し、早池峰山付近を通る北西‐南東の断層帯(早池峰構造線)を境として、北部北上帯と南部北上帯に区分されます。北部北上帯は、主に砂岩・泥岩・チャートと少量の石灰岩・火山岩などからなり、中生代ジュラ紀~白亜紀前期の付加体とされ、同様の地層は北海道渡島半島に続いています。南部北上帯は、古生代シルル紀から中生代白亜紀までの化石を含む、おおむね浅海性の非変成の石灰岩や泥岩・砂岩を主体とした地層から構成されます。大船渡付近ではシルル紀川内層の下位に氷上花崗岩があるとされます。また北部・南部北上帯ともに、こうした地層の中に白亜紀の花崗岩体(120-110M)が広く分布しています。

img-photo-id29-15
野田玉川鉱山のマンガン鉱:バラ輝石:北部北上帯には、西南日本の美濃-丹波帯などと同様にチャート中にマンガン鉱床を含みます。岩手県野田村、標本番号9540B
img-photo-id29-16
釜石鉱山のスカルン鉱:釜石鉱山は、古生層の石灰岩と白亜紀花崗岩との接触部付近に生じたスカルン型の鉄ー銅の鉱床です。写真の黒色部は磁鉄鉱、茶褐色部はざくろ石。岩手県釜石市、標本番号B011

3.阿武隈帯・日立変成岩

阿武隈帯:阿武隈帯は、西側を棚倉構造線、東側を双葉断層で境され、主に白亜紀花崗岩と変成岩から構成されます。東縁部の双葉断層と畑川破砕帯に挟まれた地帯には、松ヶ平、割山、山上、八茎など変成岩の小岩体が分布し(松ヶ平-母体変成岩)、北上帯の母体変成岩に相当する古い基盤岩とされています。阿武隈帯の変成岩は、主に南部の御斎所-竹貫地域と南端部の日立~常陸太田地域に分布します。 img-photo-id29-17

阿武隈山地遠望:準平原状の低平な山地を形成する、日立市西方より北方を望む

御斎所-竹貫変成岩:福島県南部、いわき市と石川町~白河市をむすぶ御斎所街道沿いに分布する阿武隈帯の変成岩を、御斎所-竹貫変成岩といいます。東側の比較的低変成度の御斎所変成岩と西側の高変成度の竹貫変成岩から構成されます。御斎所変成岩は、中生代ジュラ紀の地層が白亜紀に変成作用を受けてできた岩石です。

img-photo-id29-19
御斎所変成岩:黒雲母片岩:福島県御斎所山、標本番号B069
img-photo-id29-18
竹貫変成岩:ざくろ石角閃岩:赤茶色のざくろ石のほかカミングトン閃石を含みます。福島県東古殿町、標本番号B071
阿武隈帯の花崗岩とペグマタイト:阿武隈帯一帯には広く白亜紀の花崗岩類が分布します。中でも石川町や川俣町周辺は、花崗岩中のペグマタイトから多くの希産鉱物を産出したことで有名です。

img-photo-id29-22

緑柱石Beryl:エメラルドやアクアマリンの鉱物名を緑柱石といいます。福島県石川町、標本番号9337B

img-photo-id29-20
img-photo-id29-21

グラフィックペグマタイト:石英と長石が独特の形態の連晶をなすものを文象構造(Graphic structure)といいます。白い長石中に楔形文字のような石英が配列します。福島県石川町、標本番号B027

日立変成岩:日立変成岩は、茨城県日立市および常陸太田市にかけて分布し、約5億年前のカンブリア紀と石炭紀~ペルム紀の岩石が白亜紀に広域変成を受けた地質体です。常陸太田市側に分布する西堂平層は510Maの主に泥質~砂質岩起源の片麻岩からなり、日立市側の赤沢層は505~507Maの苦鉄質~珪長質火山岩起源の角閃岩や雲母片岩などから構成されます。また赤沢層に貫入し、かつ前期石炭紀の大雄院層におおわれる花崗岩(変花崗岩)があり、また大雄院層も変成して一部にクロリトイド片岩を含みます。日立鉱山の主要な鉱床(層状含銅硫化鉄鉱)は、主に赤沢層中にあります。以上は2011年日本地質学会の巡検案内書によります。 img-photo-id29-23

赤沢層の流紋岩質岩頸:日立変成岩の原岩の一部となった約5億年前の流紋岩からなる岩峰。流紋岩は変成して白雲母片岩となり、含銅硫化鉄鉱床を挟む。日立市御岩山

img-photo-id29-25
日立変成岩:白雲母片岩:赤沢層の流紋岩を起源とする変成岩。日立市日立鉱山、標本番号C005
img-photo-id29-24
菫青石黒雲母片岩、日立鉱山、標本番号C008
img-photo-id29-26
クロリトイド片岩:大雄院層は主に石炭紀の石灰岩から構成されますが、一部に風化土壌(ラテライト)を起源とするクロリトイド片岩を挟みます。日立市宮田町、標本番号C065

4.飛騨帯・飛騨外縁帯

飛騨帯:富山県東部~南部~岐阜県北部にかけて、中生代ジュラ紀の手取層群におおわれて分布する片麻岩と花崗岩を主体とする地質体を飛騨変成帯(飛騨帯)といいます。一部は石川県能登半島・白山地域、福井県にも分布します。主要部分は240-250Ma くらいの変成作用を受け、300Ma以前の花崗岩~斑れい岩などの深成岩が片麻岩となっています。変成した花崗岩の中には堆積岩起源の変成岩が含まれ、20億年を超す砕屑性のジルコンが含まれます。主要部分の形成年代は古生代(~中生代早期)ですが、もとになった岩石(原岩)には古い先カンブリア時代の痕跡が含まれているようです。まだ年代やアジア大陸との関係について議論がありますが、島弧の最も内側にあって大陸地殻の性質を持った地質体であると位置づけられています。 img-photo-id29-27

黒部川と宇奈月帯の山々:宇奈月結晶片岩は山体中腹の支沢に露出します。4月末、愛本付近より北方を望む。頂上稜線は駒ヶ岳から僧ヶ岳。

img-photo-id29-30

飛騨片麻岩:角閃石片麻岩:飛騨帯には、300Ma前後の閃緑岩や花崗岩などの深成岩を起源とする片麻岩が分布することが分かってきました。これらもその一部と考えられます。富山県魚津市片貝川

img-photo-id29-28
角閃石片麻岩(閃緑岩質片麻岩):富山県魚津市片貝川、標本番号D211
img-photo-id29-29
圧砕性眼球片麻岩(ブラストマイロナイト):花崗岩体との境界に沿って花崗岩~閃緑岩起源の圧砕岩質の眼球片麻岩が発達します。富山県魚津市片貝川、標本番号D229
これはいったい何だろう?
“オバケダイク”
神岡町付近の高原川河床には、花崗片麻岩中にまるで“火の玉”を連ねたような奇妙な岩石があり、神岡鉱山では「オバケダイク」と呼び慣わされていました。実は花崗岩と玄武岩質の岩石との同時性岩脈(シンプルトニック岩脈)が変成したものです。岐阜県神岡町、標本番号D408

img-photo-id29-32
img-photo-id29-31
“飛騨名産” 伊西ミグマタイトと眼球片麻岩:飛騨片麻岩は一般に変成岩的な部分と花崗岩質の部分が混在したミグマタイト構造を示します。特に石灰質岩に伴って単斜輝石を含む花崗岩質の岩石が広く産出し、最初に記載された伊西峠にちなんで「伊西ミグマタイト」とか「伊西岩」と呼ばれてきました。画面左の黒い岩片は角閃岩、中央部の緑色鉱物は単斜輝石、右端に石灰岩が見える。神岡町高原川河床。
眼球片麻岩は、花崗岩体との境界に沿って分布し、赤紅色のカリ長石眼球を持った特徴的な岩石です。 img-photo-id29-33

img-photo-id29-35
輝石片麻岩の岩片を含む伊西ミグマタイト:岐阜県神岡鉱山栃洞坑、標本番号D468
img-photo-id29-34
圧砕性眼球片麻岩:岐阜県神岡町、標本番号D427
飛騨片麻岩:石灰岩起源の変成岩:飛騨片麻岩の特徴の1つは,石灰岩起源の岩石が多いことです。写真は、花崗岩質片麻岩に挟まれた石灰岩の薄層。石灰岩が花崗岩に取込まれた後、さらに全体が変成しています。神岡町の高原川河床の露頭 img-photo-id29-36

img-photo-id29-37
石灰岩層の単斜輝石角閃石片麻岩の中石:反時計回りの回転運動が読み取れる。神岡町高原川河床
img-photo-id29-38
マグネシア質石灰岩:暗緑色の鉱物はかんらん石・斜ヒューム石・柱石と蛇紋石など。飛騨帯にはしばしばマグネシア質の石灰岩を産します。神岡町高原川河床
飛騨帯の花崗岩:飛騨花崗岩:飛騨帯の花崗岩は、従来ほとんどジュラ紀(180Ma前後)とされてきましたが、300Ma以前から180Ma前後まで幅広い年代のものがあることが分かってきました。その中には250~240Ma前後の広域変成を受けた古期の岩相と、変成を受けていない新期の岩相があります。

img-photo-id29-39
変成したピンク花崗岩(船津岩体):顕微鏡下で見ると変形や再結晶組織があり、片麻岩地帯に近づくと眼球片麻岩になります。岐阜県神岡町、標本番号D426
img-photo-id29-40
非変成の花崗閃緑岩(下之本岩体):変成作用(変形や再結晶)を受けていない新期の岩体。岐阜県神岡町金木戸川、標本番号D430
飛騨外縁帯:青海~白馬岳周辺(蓮華地域)、槍ヶ岳、福地、高山市北方、清見(楢谷地域)、九頭竜川上流(伊勢地域)などに、古生層・蛇紋岩・高圧型変成岩を含む変成岩などから構成される複雑な構造の地質体が分布します。これらの地域をつなぐと、飛騨帯の周囲を取り巻くように見えるので全体を飛騨外縁帯と呼ばれてきました。蓮華地域では蛇紋岩に挟まれて、変成岩や年代の異なる古生層・中生層(来馬層群)が分布します(蛇紋岩メランジという)。変成岩の年代は、おおよそ300Ma前後(280~340Ma)を示します。また福地地域にはシルル~オルドビス紀の堆積岩があります。ただし各地域の相互関係などについては、まだ未解明の点が多くあります。 img-photo-id29-41

朝日岳より白馬岳・柳又谷方面を望む:このあたり一帯には複雑な構造の古生層と変成岩や蛇紋岩が分布します。白馬岳はかつて大蓮華岳とよばれ、蓮華帯はその名にちなんでいます。

飛騨外縁帯の岩石

img-photo-id29-42
ヒスイ輝石(緑色)を含む曹長岩:ヒスイ輝石は代表的な高圧変成鉱物。新潟県糸魚川市、標本番号9562D
img-photo-id29-43
ざくろ石角閃岩:新潟県青海町、標本番号D750
img-photo-id29-44
泥質片岩(蒲田結晶片岩):岐阜県上宝村、標本番号D727
img-photo-id29-47
一つ梨含礫片岩:飛騨外縁帯楢谷地域(岐阜県高山市清見地域)にもデボン系の地層が分布し、その中に礫状の花崗岩質岩石を含む結晶片岩があります。
img-photo-id29-48
上広瀬礫岩:古生代後期の上広瀬層中の礫岩。飛騨花崗岩の圧砕性のピンク花崗岩によく似た花崗岩礫を多量に含みます。高山市街地北方の宮川河床。
黒部峡谷:黒部峡谷は、後立山連峰(飛騨外縁帯)と立山連峰(飛騨帯)との境界地帯を流れる険しい渓谷です。この地域は、主に白亜紀~新第三紀~第四紀の花崗岩や火山岩でできていますが、花崗岩の中に飛騨外縁帯の一部とみられる石灰岩体が含まれます。

img-photo-id29-45
黒部川下の廊下の峡谷(黒部川花崗岩:新第三紀~第四紀)
img-photo-id29-46
鐘釣山の石灰岩(飛騨外縁帯古生層相当)
飛騨帯・飛騨外縁帯の中生層
-来馬(クルマ)層群と手取層群-

img-photo-id29-50
来馬層群の礫岩:来馬層群は、主に飛騨外縁帯青海地域に分布する中生代ジュラ紀前期の地層です。飛騨外縁帯の蛇紋岩メランジの一員として産出します。新潟県糸魚川市、標本番号D752
img-photo-id29-49
手取層群の礫岩と正珪岩礫:手取層群は、中生代ジュラ紀中期~白亜紀前期の地層で、飛騨帯・飛騨外縁帯にまたがって分布します。陸成(湖成)~浅海性の地層で、福井県九頭竜川地域では恐竜化石を含むことで有名です。また正珪岩の大きな円礫を含む礫岩を産します。正珪岩礫には約7億年前のものが含まれます。岐阜県上宝村(現高山市)、標本番号D736

5.美濃‐丹波帯

美濃-丹波帯:主にチャートと砂岩・泥岩などから構成されます。赤坂などに古生代化石を含む石灰岩があるため、かつては「秩父古生層」とされていましたが、全体として中生代ジュラ紀にできた付加体と考えられます。 img-photo-id29-51

上麻生礫岩:岐阜県七宗町付近の飛騨川(1972年当時):美濃帯の上麻生付近の飛騨川河床には、片麻岩や正珪岩などを含む礫岩層が露出します。この中には約20億年前の珪質片麻岩の巨礫が含まれます。
濃飛流紋岩:白亜紀後期の流紋岩質の火山岩と火砕岩から構成され、富山県~岐阜県~長野県の広い範囲に、飛騨帯-飛騨外縁帯-美濃帯にまたがって分布します。この時期には、アジア大陸東縁で珪長質のマグマ活動が盛んとなり、地表では流紋岩の噴出と地下では花崗岩の形成をともなう火山―深成活動と陥没構造(カルデラ)が日本各地に認められます。

img-photo-id29-55
笠が岳流紋岩:濃飛流紋岩と同時期・同質の岩体で、周囲を環状岩脈で囲まれたカルデラ構造を形成します。左の峰は錫杖岳、右は笠が岳、山腹の岸壁にほぼ水平のflow unitが見えます。岐阜県上宝村。
img-photo-id29-54
流紋岩質溶結凝灰岩:濃飛流紋岩黒沢層下部、異質岩片を含む。岐阜県付知町、標本番号D029
img-photo-id29-56
苗木上松花崗岩:岐阜県中津川付近から長野県上松周辺の木曽川流域に分布する白亜紀後期の花崗岩。広島花崗岩など山陽帯の花崗岩に相当します。岐阜県蛭川村(現中津川市)、標本番号D055
img-photo-id29-57
苗木地域のペグマタイト:苗木地域には花崗岩中に多くのペグマタイトがあり、各種の希産鉱物を産出したことで有名です。岐阜県蛭川村(現中津川市) 、標本番号D054
img-photo-id29-58
丹波帯の菫青石ホルンフェルス:丹波帯の堆積岩中には白亜紀の花崗岩が貫入し、その周囲の泥岩は接触変成を受けてホルンフェルスとなっています。白色斑状の鉱物は、菫青石が変質した白雲母(絹雲母)の集合体(桜石)です。京都市左京区、標本番号E046
img-photo-id29-59
鞍馬石:丹波帯の堆積岩中に貫入した白亜紀の花崗岩体の1つ。風化した表面のさび色の風合いが好まれ、鞍馬石の名で庭石などに用いられます。写真は未風化の花崗閃緑岩質の岩相。京都市左京区花背峠、標本番号E051

6.領家帯

領家帯:美濃-丹波帯の南部、中央構造線の北側の地帯は、白亜紀後期に広域変成作用を受けて紅柱石や珪線石を生じるような高温型(低圧型)の変成岩となり、また多量の花崗岩を伴います。こうした地帯を領家帯といい、中部地方の天竜川沿いから近畿地方の三重-奈良-大阪南部、瀬戸内地域~山口南部を経て北部九州に続きます。また関東平野の基盤にも伏在すると考えられます。 img-photo-id29-60

瀬戸内海に面した地域や島々には領家変成岩と花崗岩が分布します。写真は山口県上関付近の領家帯の風景で、中央左手の皇座山は瀬戸内火山岩におおわれます。→山口県の地質

img-photo-id29-61
鹿塩ミロナイト(鹿塩片麻岩):領家帯の岩石は、中央構造線に近づくと著しく圧砕作用を受けてミロナイト(マイロナイト)となっています。かつて鹿塩片麻岩と呼ばれました。長野県大鹿村、標本番号D056
img-photo-id29-62
田口鉱山のマンガン鉱:美濃-丹波帯のチャート層中には多数のマンガン鉱床があり、領家帯には変成作用を受けたマンガン鉱床が存在します。中でも田口鉱山は、多様なマンガン鉱物の産出で知られています。愛知県設楽町、標本番号D048
img-photo-id29-63
領家帯の変成岩:空晶石片岩:京都府南部の笠置地域から奈良県柳生地域は、近畿地方領家帯の代表地域の1つです。空晶石は紅柱石の一種で、結晶断面に炭質包有物が対象的に並んでいます。絹雲母に置換されていますが一部に紅色の部分が残ります。京都府笠置町、標本番号E055
img-photo-id29-64
領家帯の深成岩:コルトランダイト:主に大型の角閃石からなり、かんらん石や輝石を含む岩石です。領家帯には花崗岩に伴ってしばしば斑れい岩やコルトランダイトなどの苦鉄質~超苦鉄質の岩石が産出します。奈良県桜井市、標本番号E040
img-photo-id29-65
領家帯の花崗岩:狭川花崗岩:顕著な片状構造を持った花崗閃緑岩質の岩石で、中部地方の天竜峡花崗岩(古期領家花崗岩)に対応するとされています。奈良市柳生、標本番号E010
img-photo-id29-66
領家帯の花崗岩:柳生花崗岩:近畿地方領家帯の代表的な花崗岩で、やや片状構造がありますが、中部地方の伊奈川花崗岩(新期領家花崗岩)に対応するとされています。奈良市柳生、標本番号E009

7.三波川帯

三波川帯:中央構造線の南側、西南日本外帯側に分布する塩基性~泥質・砂質の結晶片岩や蛇紋岩などから構成される地帯で、関東山地から中部地方の天竜川沿い~紀伊半島~四国山地~九州佐賀関まで連続します。中生代の付加体が、白亜紀に高圧型の変成作用を受けた地帯です。 img-photo-id29-67

吉野川が四国山地を横切るあたりでは、急流が三波川変成岩を浸食して険しい渓谷地帯となります。徳島県大歩危付近。

img-photo-id29-68
関東山地の三波川変成岩:石墨片岩:埼玉県から群馬県にかけて関東山地の縁に三波川変成岩が分布します。特に荒川沿いの長瀞付近が有名です。群馬県鬼石町、標本番号C046
img-photo-id29-69
近畿地方の三波川変成岩:緑色片岩:近畿地方では、紀ノ川南岸に沿って三波川変成岩が分布します。三波川帯の緑色片岩中には、しばしば含銅硫化鉄鉱床が存在します。特に四国の別子鉱山が有名ですが、そのほか中部地方には峰の沢鉱山など、近畿地方では飯盛鉱山などがありました。和歌山県那賀町飯盛鉱山、標本番号E041
四国の三波川帯:四国は北側から、領家帯・中央構造線・三波川帯・秩父帯・四万十帯という帯状構造が発達した地域です。特に三波川帯の分布幅が広く、各種岩相が良く表れているので、変成岩岩石学や構造地質学の研究が盛んに行われてきました。四国山地の三波川帯は、おおむね南から北に変成度が上昇し、別子鉱山周辺に最も高変成度の部分が現れます。また東赤石山にはかんらん岩が分布します。周辺の苦鉄質~超苦鉄質の岩石では、ざくろ石角閃岩やエクロジャイトが産出します。 img-photo-id29-70

ざくろ石角閃岩の露頭:愛媛県四国中央市関川。

img-photo-id29-71
ざくろ石角閃岩:赤い斑点はざくろ石。愛媛県四国中央市関川、標本番号G128
img-photo-id29-74
紅簾石石英片岩:紅簾石はMnを含む緑簾石族の鉱物です。三波川帯には、しばしば紅簾石を含む珪質の変成岩がはさまれます。露頭写真は愛媛県四国中央市関川
img-photo-id29-73
紅簾石石英片岩、愛媛県新居浜市別子鉱山付近、標本番号G001。
img-photo-id29-72
エクロジャイト:赤いざくろ石と緑色の単斜輝石からなる苦鉄質~超苦鉄質の岩石です。四国山脈中央部の東赤石山周辺などに知られています。愛媛県別子山村、標本番号G043
原岩の構造を残した三波川変成岩

img-photo-id29-77
級化層理を示すハイアロクラスタイト。玄武岩質の岩石が水中で破砕し、堆積した岩石。[高知県汗見川]
img-photo-id29-75
枕状溶岩と杏仁状構造:溶岩が海底に噴出すると枕状溶岩となり、発泡してできた丸い空隙を白色鉱物が埋めた構造を杏仁状といいます。藍閃石を含むような高圧型の苦鉄質火山岩起源の変成岩にも見られます。高知県本山町汗見川、標本番号G102

8.秩父帯・黒瀬川帯

秩父帯と黒瀬川帯:秩父帯は三波川帯の南側に並走して、関東山地から九州まで連続します。主にチャートや砂岩泥岩などからなり、古生代の石灰岩体を含みます。かつては「秩父古生層」と呼ばれましたが、美濃‐丹波帯などと同様の中生代ジュラ紀の付加体です。秩父帯中には、シルル紀の石灰岩や深成岩、450~400Maの古い変成岩の小岩体が連続する地帯-黒瀬川帯があり、これを境に北帯と南帯に区分されます。秩父帯はおおむね非変成ですが、変成作用を受けた部分もあり、三波川変成作用との関係が議論されています。

img-photo-id29-78
ざくろ石角閃岩:黒瀬川帯の高変成度岩石(苦鉄質グラニュライト)。高知市北部、標本番号G078
img-photo-id29-79
横倉山層群のFavosites:横倉山層群は黒瀬川帯中のシルル~デボン紀の地層で珪長質火砕岩や石灰岩から構成されます。石灰岩はサンゴ化石などを多産することで有名です。高知県越知町、標本番号FS148
九州中部尾平越の黒瀬川帯:黒瀬川帯は九州中部にも連続し、四国と同様のざくろ石角閃岩や変形の強い圧砕性花崗岩などが産出します。

img-photo-id29-80
ざくろ石角閃岩:大分県緒方町尾平越、標本番号H053
img-photo-id29-81
圧砕性片状花崗岩:大分県緒方町尾平越、標本番号H062
九州八代地域の黒瀬川帯:黒瀬川帯は九州中部を横断して八代付近まで連続します。八代地域には、300~270Maの高圧型変成岩や約450Maの変斑れい岩(ざくろ石角閃岩:グラニュライト)が産出します。

img-photo-id29-82
青色片岩:藍閃石-ローソン石を含む高圧型変成岩、変成年代は300~270Ma。熊本県八代市走水川、標本番号H193
img-photo-id29-83
変斑れい岩:高温型変成作用(グラニュライト相)を受けた斑れい岩、火成年代は約450Ma。熊本県八代市走水川、標本番号H194

9.四万十帯

四万十帯:主にチャートと砂岩泥岩などからなる複雑な構造の地質体で、秩父帯との境界をなす仏像構造線の南側に、房総半島から琉球列島にかけて広く分布します。大きく北帯と南帯に区分され、北帯は白亜紀の、南帯は古第三紀~新第三紀中新世の付加体です。また四万十帯各地に中新世の花崗岩や珪長質火山岩が分布します。 img-photo-id29-84

四万十川の景観、沈下橋が見える。四万十川は、かつて低平地を蛇行しながら流れていましたが、地域全体が上昇して浸食が復活した後も、河川の浸食量が上昇量より大きかったため、元の曲流が保持されています(穿入曲流といいます)。

img-photo-id29-86
img-photo-id29-85
四万十帯の砂泥互層:凸部は砂岩、凹部は泥岩、高知県室戸岬付近の付加体堆積岩層の産状
img-photo-id29-88
img-photo-id29-87
四万十帯の枕状溶岩:四万十帯の堆積岩に挟まれて産出します。海底の堆積物中に噴出した玄武岩質溶岩です。高知県室戸市
img-photo-id29-89
四万十帯北帯の千枚岩と層状含銅硫化鉄鉱床(槇峰鉱山):四万十帯北帯の北部では、変成作用を受けて千枚岩となっており、三波川変成作用との関係が議論されています。この中には層状の含銅硫化鉄鉱層がはさまれ、槇峰鉱山として採掘されていました。宮崎県北方町
img-photo-id29-90
網の瀬川河床の槇峰層群と硫化鉄鉱露頭
img-photo-id29-91
四万十帯北帯の黒色千枚岩:槇峰層群槇峰層の泥質岩。宮崎県北方町槇峰鉱山、標本番号H159
img-photo-id29-92
含銅硫化鉄鉱:層状構造が見える、主に黄鉄鉱からなり黄銅鉱を含む。宮崎県北方町槇峰鉱山、標本番号H216
四万十帯の火成岩:四万十帯には紀伊半島の熊野酸性岩、九州の尾鈴山酸性岩、四国の足摺岬花崗岩、高月山花崗岩、九州の大崩山花崗岩、市房山花崗岩など、また潮岬や室戸岬の斑れい岩など、おおよそ15~12Maくらいの新第三紀中新世の火成岩が分布します。
大崩山花崗岩

大崩山花崗岩:大分県から宮崎県にかけて、大崩山を中心とした花崗岩体と大規模な環状岩脈で縁取られた陥没構造があり、祖母-傾山の火山岩からなる火山-深成複合岩体が分布します。写真は大崩山坊主尾根の花崗岩の岩壁。

大崩山花崗岩とその中の捕獲岩
大崩山花崗岩とその中の捕獲岩

10.隠岐変成岩・長崎変成岩・肥後変成岩・八重山変成岩

西南日本には、隠岐島後・長崎周辺・熊本周辺・石垣島などに変成岩や深成岩が分布します。それらは小規模でもあり、4~8の主要な地質体から離れているため、どこに対応するのか種々議論があり、まだ十分に解明されていないこともあります。ここではその様な変成岩をまとめて紹介します。 隠岐変成岩:隠岐島後には、新第三紀以降の火山岩類の基盤として、片麻岩やミグマタイト質の花崗岩が分布します。これらは従来、飛騨帯の延長と考えられ「飛騨-隠岐帯」とよばれ、西南日本の最も内帯側にある古い大陸性地殻の一部と位置付けられてきました。しかし飛騨本体とは400㎞もの海で隔てられ、直接連続関係を確かめることはできません。 img-photo-id29-97

隠岐島後の海岸風景

img-photo-id29-98
隠岐変成岩:ざくろ石片麻岩:泥質岩起源の片麻岩、隠岐には泥質岩起源の変成岩が多く、飛騨帯と異なり石灰質岩がほとんどありません。島根県隠岐の島町、標本番号F091
img-photo-id29-99
隠岐変成岩:黒雲母片麻岩:島根県隠岐の島町、標本番号F093
img-photo-id29-101
img-photo-id29-100

隠岐変成岩:黒雲母片麻岩とミグマタイト質花崗岩:隠岐変成岩も露頭では、飛騨片麻岩と同様のミグマタイト的な産状を示します。島根県隠岐の島町、標本番号F101

img-photo-id29-103
img-photo-id29-102

隠岐変成岩:黒雲母片麻岩を貫く白雲母花崗岩:画面中央に片麻岩の片理面を切って白雲母花崗岩(S-type花崗岩)の岩脈があります。この標本のK-Ar年代は約160Maです。島根県隠岐の島町、標本番号F104

img-photo-id29-104
img-photo-id29-105
img-photo-id29-106

隠岐変成岩:角閃岩:泥質片麻岩(黒雲母片麻岩)にはさまれて層状(左上)~レンズ状(右上)に産出します。苦鉄質火山岩を起源とした変成岩です。斜方輝石・単斜輝石を含む高変成度(グラニュライト相)の変成岩です。島根県隠岐の島町、標本番号F065

長崎変成岩:長崎県西彼杵半島~野母半島~熊本県天草下島付近に分布する低温高圧型の変成岩を長崎変成岩といいます。西南日本の変成帯との対応関係について議論がありましたが、200~160Maくらいの周防帯相当の変成岩が、低角の衝上断層で87~85Ma の三波川帯の上位にあることが明らかにされました。野母崎付近には周防帯、西彼杵半島には三波川帯相当の岩石が分布します。また野母崎付近には4.5億年前以前のK-Ar年代を示す変斑れい岩が産出します。 img-photo-id29-107

野母崎付近の長崎変成岩(1979年当時)

img-photo-id29-108
長崎変成岩:変斑れい岩:野母崎付近には、4.5億年前以前の古い放射年代を示す変斑れい岩が産出します。また付近の蛇紋岩にはきれいな8面体の磁鉄鉱が含まれます。
img-photo-id29-109
長崎変成岩:変斑れい岩:長崎県野母崎、標本番号H019
img-photo-id29-110
長崎変成岩:八面体の磁鉄鉱を含む滑石片岩:長崎県野母崎、標本番号H156
img-photo-id29-111
長崎変成岩:紅簾石片岩:長崎県西彼杵半島(三波川帯相当)。標本番号H018
肥後変成岩:熊本市東南方の松橋~甲佐から八代市にかけて分布します。北部の比較的低変成度の間の谷変成岩、主要部の肥後片麻岩、南部の竜峰山変成岩から構成され、竜峰山帯と肥後片麻岩の間には白亜紀の白石野花崗岩と約210Maの宮の原トーナル岩があります。肥後片麻岩にはグラニュライト相の高温変成岩を産します。領家帯の一部とする考えもありましたが、中国大陸の二畳紀~三畳紀変成岩との対応が議論されています。

img-photo-id29-112
肥後片麻岩:両輝石角閃岩と角閃石トーナル岩:熊本県甲佐町、標本番号H010
img-photo-id29-113
間ノ谷結晶片岩:緑色片岩:熊本県矢部町、標本番号H013
八重山変成岩:琉球列島の石垣島と西表島の一部に分布します。石垣島では、中部~北部にかけて200~220Maの主に泥質~苦鉄質の高圧型変成岩からなるトムル層が、南西部には150~130Maの弱変成の冨崎層 が分布します。また於茂登岳周辺には32~22Maの花崗岩があります。 img-photo-id29-114

石垣島玉取崎より伊原間およびトムル崎方面をのぞむ

img-photo-id29-115
八重山変成岩:苦鉄質火山岩起源の変成岩、やや偏平になった枕状構造が良く残るが、藍閃石を生じるような変成作用を受けている。沖縄県石垣市
img-photo-id29-117
八重山変成岩:泥質片岩:露頭。沖縄県石垣市。
ページ上部に戻る