主な標本と見学コース

3.鉱物と岩石の色や形
鉱物・岩石色変化、鉱物や岩石の形(410号室)

趣味の石、色とりどりのきれいな石はこちらです。
鉱物が色づいて見えたり、同じ鉱物でも色が違うのはなぜ?
どうしてこんな形になるのだろうか?

img-photo-tour03-01

石の中にも花が咲く- 桜石・菊花石・梅花石・海ユリほか -

桜石:母岩は粘板岩ホルンフェルス。もとは菫青石であるが、雲母に変わっている(仮像という)。3つの結晶が互いに60度に交わってこのような形になる(双晶という)。

桜石
桜石:暗紫色の母岩に咲いた一輪の花[京都府和束町]9345E
桜石の分離結晶
桜石の分離結晶[京都府亀岡市]9311E

菊花石:チャートなどの母岩にできた放射状の割れ目を方解石や石英が満たしてできる。岩石の色や形を楽しむ趣味(水石)の定番。

菊花石
菊花石 [岐阜県根尾谷]D060

梅花石:北九州市産のものが有名である。母岩は石灰岩で、海ユリという古生代の化石の断面が梅の花のように見えるもので、やはり水石の定番。海ユリとは言うが、植物ではなく棘皮動物(ウニやヒトデの仲間)の一種。火山岩中にできた球状の模様にも梅の花に似たものがある。

img-photo-tour03-05-01
梅花石(海ユリ)[美祢市秋吉台]FS167
梅花石
梅花石:岩石は球か流紋岩。マグマが固まる際ガスなどが抜けた球状の空隙を石英などが満たしてできる[岐阜県飛騨市]。D069

なんでこうなるの?岩石の不思議な形態

花崗岩~閃緑岩中に同心円状の構造ができることがある。成因には、マグマ中での早期晶出相の周りの周期的な結晶作用や結晶化後の交代作用など種々あるが、まだよく分かっていない。ナポレオンの生まれ故郷コルシカ島に出るので「ナポレオン岩」ともいう。

球状岩
球状岩[富山県常願寺川]D328
球状岩
球状岩[佐賀県多久市]H046

赤やピンクの鉱物:ルビーとマンガン鉱物

ルビーはコランダム Al2O3に微量のクロームを含むために赤く発色する。鉱物学的には同じでも、青いコランダムはサファイアです。

ルビー
赤い鉱物の女王ルビー[タンザニア]3417W

美しいピンク色の菱マンガン鉱(MnCO3)。マンガンを含む鉱物は、菱マンガン鉱(炭酸塩鉱物)やバラ輝石(珪酸塩鉱物)などピンクになるものが多い。鉱脈中の空隙に熱水から沈殿して鍾乳石のような形を示すことがある。

菱マンガン鉱
菱マンガン鉱(MnCO3)[北海道稲倉石鉱山] 5193A
菱マンガン鉱
菱マンガン鉱(MnCO3)[青森県尾太鉱山] 5141B

青や緑、紫の鉱物:サファイアやヒスイ

「サファイア」はコランダムAl2O3に微量の鉄が入って美しい青い色をしたもの。この標本はろう石鉱床から産出し、宝石にはならない。

「ひすい」は輝石の一種。緑色の宝石としてアジアで好まれる。糸魚川付近(青海・姫川)の飛騨外縁帯はヒスイの産地として有名である。

コランダム
コランダム Al2O3[山口県宇久鉱山]Y638
ひすい
ひすい Jadeite NaAlSi2O6 9562D

「スパー石」は高温スカルンに産出する。岡山県布賀は各種の稀産鉱物が出る。

「ラルビカイト」はソーダ微斜長石を主とする閃長岩。長石の結晶内で組成のちがう薄層に分離(離溶という)し、光の干渉により青い閃光を放つ。

スパー石
鮮やかな紫色のスパー石 9131F
ラルビカイト
ラルビカイト 9937W
天青石
天青石 Celestite SrSO4:透明感のあるうす青い色からその名がある[マダガスカル]6083W

黄色やオレンジの鉱物

硫黄
硫黄 S :火山噴気孔の昇華物としてよく産出する[大分県久住町]1053H
黄銅鉱
黄銅鉱 CuFeS2:代表的な銅の鉱石鉱物[兵庫県明延鉱山]E229

白と黒の鉱物

石英:色とりどり形さまざま。石英は最もポピュラーな鉱物であるが、様々な色と形態を示す。透明・白色・黒色・ピンク・紫・黄色、鍾乳石状(玉髄)など。窓際のガラスケース、向かって左からに展示。

六角柱状の石英
六角柱状の石英。左側のとがった方が錐面 3388W
両方に錐面のある両錐形石英
両方に錐面のある両錐形石英[マダガスカル]3389W
六角錐が上下に合わさった高温石英
六角錐が上下に合わさった高温石英[大津市皇子山]3380E
石英の日本式双晶
石英の日本式双晶[長崎県奈留島]3384H

鉱物の結晶形態 – 結晶構造と結晶系 -

鉱物の結晶形態は、結晶面の対称性によって決まり、それはまた結晶内部の原子配置(結晶構造)を反映しています。410号室窓際の棚に展示。下の引出には小型の各種鉱物が分類別に入っています。

鉱物の結晶形態と結晶系
鉱物の結晶形態と結晶系-1 
鉱物の結晶形態と結晶系
鉱物の結晶形態と結晶系-2

等軸晶系(立方晶系)の鉱物 – さいころのような形をする –

黄鉄鉱
黄鉄鉱[スペイン]2330W
黄鉄鉱と石英
黄鉄鉱と石英[青森県尾太鉱山]2392B
マンガンざくろ石
マンガンざくろ石[インドナグプール]9055W
鉄ばんざくろ石の結晶
鉄ばんざくろ石の結晶
左は24面体[福島県石川町]、右は12面体[パキスタン フンザ]9160W

正方晶系の鉱物 – 4角錐の形態を示す –

錫石結晶
錫石結晶:左は4角錐と柱面、右は4角錐の頭[京都府鐘打鉱山]3425E
ジルコン
ジルコン:正4面体を上下に重ねた形、上から見たところ[ニアサランド]9071W

斜方晶系の鉱物

平たい板状結晶をなすことが多い。

重晶石結晶
重晶石結晶[北海道勝山鉱山]6066A
天青石結晶
天青石結晶[マダガスカル]6083W

単斜晶系の鉱物

長柱状の結晶をなすことが多い。

単斜輝石(透輝石)
単斜輝石(透輝石)[藤ヶ谷鉱山]9435Y
角閃石(アクチノ閃石)
角閃石(アクチノ閃石)[愛媛県別子鉱山]9469G
角閃石の分離結晶
角閃石の分離結晶 右:柱面、左:頭から見ると120度の結晶面角を示すことが分かる[アフリカ、キリマンジャロ]9582W
自形の角閃石を含む花崗閃緑岩
自形の角閃石を含む花崗閃緑岩[山口市鳳翩山岩体]9585Y

三斜晶系の鉱物

長石類の多くは三斜晶系、岩石を構成する最も普遍的な鉱物。

カルスバット双晶
カリ長石には三斜晶系のもの(微斜長石)と単斜晶系(サニディン、正長石)があるが、形態的には区別できない(X線解析による)(左の結晶はカルスバット双晶[鹿児島県屋久島]9916H、右[韓半島]9917K)
斜長石(灰長石)
斜長石(灰長石):斜長石は組成によらずほとんど三斜晶系。しかし直方体との違いは小さく、わずかにひしゃげた形をする[北海道倶多楽湖]。9930A

六方晶系(三方晶系)の鉱物

六方晶系も三方晶系も、六角柱状の結晶をなすことが多い。しかしふつうの石英(低温型)は、結晶の対称性からいうと6の半分、次数3の要素で記述できるので、このような結晶を三方晶系という。ただし高温型の石英は六方晶系である。

石英(三方晶系)
石英は六角柱状をなす鉱物の代表格。巨大な石英結晶。大きくても石英の特徴である6角柱状の形をしている[島根県馬谷鉱山]。3350F
緑柱石(六方晶系) 
緑柱石(六方晶系) Beryl Be3Al2Si6O18 [福島県石川町]9337B
柱状結晶を真上から見る
緑柱石の柱状結晶を真上から見ると正6角形を示す[福島県石川町]9339B

方解石も三方晶系であるが、菱形の形(菱面体)をすることが多い。しかし時には六角柱状の水晶に似た結晶をすることもある。無色透明の方解石を氷州石iceland sparという。

透明な方解石と複屈折
透明な方解石と複屈折(線が二重に見える)[カリフォルニア]5157W
犬歯状透明方解石
犬歯状透明方解石 5175W

主な造岩鉱物とその産状

410号室窓際の棚に展示。

主要造岩鉱物とその岩石
主要造岩鉱物とその岩石
指標鉱物(岩石の形成条件を示す鉱物)
指標鉱物(岩石の形成条件を示す鉱物)
岩石の性質と産状
ページ上部に戻る