主な標本と見学コース
3.鉱物と岩石の色や形 鉱物・岩石色変化、鉱物や岩石の形(410号室)
趣味の石、色とりどりのきれいな石はこちらです。
鉱物が色づいて見えたり、同じ鉱物でも色が違うのはなぜ?
どうしてこんな形になるのだろうか?
石の中にも花が咲く- 桜・バラ・梅・ユリほか -
桜石:母岩は粘板岩ホルンフェルス。もとは菫青石であるが、雲母に変わっている(仮像という)。3つの結晶が互いに60度に交わってこのような形になる(双晶という)。
なんでこうなるの?岩石の不思議な形態
花崗岩~閃緑岩中に同心円状の構造ができることがある。成因には、マグマ中での早期晶出相の周りの周期的な結晶作用や結晶化後の交代作用など種々あるが、まだよく分かっていない。ナポレオンの生まれ故郷コルシカ島に出るので「ナポレオン岩」ともいう。
赤やピンクの鉱物:ルビーとマンガン鉱物
ルビーはコランダム Al2O3に微量のクロームを含むために赤く発色する。鉱物学的には同じでも、青いコランダムはサファイアです。
美しいピンク色の菱マンガン鉱(MnCO3)。マンガンを含む鉱物は、菱マンガン鉱(炭酸塩鉱物)やバラ輝石(珪酸塩鉱物)などピンクになるものが多い。鉱脈中の空隙に熱水から沈殿して鍾乳石のような形を示すことがある。
青や緑、紫の鉱物:サファイアやヒスイ
「サファイア」はコランダムAl2O3に微量の鉄が入って美しい青い色をしたもの。この標本はろう石鉱床から産出し、宝石にはならない。
「ひすい」は輝石の一種。緑色の宝石としてアジアで好まれる。糸魚川付近(青海・姫川)の飛騨外縁帯はヒスイの産地として有名である。
「スパー石」は高温スカルンに産出する。岡山県布賀は各種の稀産鉱物が出る。
「ラルビカイト」はソーダ微斜長石を主とする閃長岩。長石の結晶内で組成のちがう薄層に分離(離溶という)し、光の干渉により青い閃光を放つ。
黄色やオレンジの鉱物
白と黒の鉱物
石英:色とりどり形さまざま。石英は最もポピュラーな鉱物であるが、様々な色と形態を示す。透明・白色・黒色・ピンク・紫・黄色、鍾乳石状(玉髄)など。窓際のガラスケース、向かって左からに展示。
鉱物の結晶形態 – 結晶構造と結晶系 -
鉱物の結晶形態は、結晶面の対称性によって決まり、それはまた結晶内部の原子配置(結晶構造)を反映しています。410号室窓際の棚に展示。下の引出には小型の各種鉱物が分類別に入っています。
等軸晶系(立方晶系)の鉱物 – さいころのような形をする -
正方晶系の鉱物 – 4角錐の形態を示す -
斜方晶系の鉱物
平たい板状結晶をなすことが多い。
単斜晶系の鉱物
長柱状の結晶をなすことが多い。
三斜晶系の鉱物
長石類の多くは三斜晶系、岩石を構成する最も普遍的な鉱物。
六方晶系(三方晶系)の鉱物
六方晶系も三方晶系も、六角柱状の結晶をなすことが多い。しかしふつうの石英(低温型)は、結晶の対称性からいうと6の半分、次数3の要素で記述できるので、このような結晶を三方晶系という。ただし高温型の石英は六方晶系である。
方解石も三方晶系であるが、菱形の形(菱面体)をすることが多い。しかし時には六角柱状の水晶に似た結晶をすることもある。無色透明の方解石を氷州石iceland sparという。
主な造岩鉱物とその産状
410号室窓際の棚に展示。
- 指標鉱物(岩石の形成条件を示す鉱物)
→岩石の性質と産状